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シンポジウム・各種イベント

第9回 京都大学 学術情報メディアセンター シンポジウム
「カルチュラル・コンピューティング」 ―日本文化ソフトのグローバルコミュニケーション創造力―

今世紀,世界はインターネットでつながりました.

しかし地域や民族に根ざしていた文化が「フラット化」され,危機に来ています.私達は文化を脱ぎ捨てることはできません.今こそ,インターネット時代における文化を真剣に考える時代に来ています.それには,いままでコンピュータで定量化できなかった感情・意識・物語・民族性といった人々に内属するものを扱い,精神に触れるインターフェース「カルチュラル・コンピューティング」が不可欠です.人間が歴史の中で行為や文法などの形で蓄えてきたものをモデル化した,インタラクティブな文化体験システムです.それを心で理解することにより,グローバルコミュニケーションは深まるでしょう.特に日本文化のコンピューティングに注目し,ほとんどコンピューティングの対象となって来なかった,日本の移ろいやすい気象・自然風土「もののあわれ」などの無常思想や「わび,さび」などの美意識.日本文化とアジア文化の関係.神仏習合を根底とした文化構造.和歌,俳諧や能などの日本語独特の特性.日本的意匠(紋,織,色,型)をとりあげます.日本の代表的な職人や神主,IT研究者やアーティストや企業が,テクノロジーによって日本文化を明確化し,また日本文化によってテクノロジーを進展させていく新しいカルチュラル・コンピューティングを模索します.

(土佐尚子 著『カルチュラルコンピューティング文化・無意識・ソフトウェアの創造力』(NTT出版)より)

開催要項
日時 2010年3月18日(木曜日) 13時00分〜18時00分
場所 京都大学東京オフィス(東京/品川)
〒108-6027 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階
TEL:03-5479-2220
定員 先着100名
参加費用 無料
参加申込み 申込みフォーム
もしくは
request-cc*media.kyoto-u.ac.jp 宛にメールにてお申し込みください.
( * にはアットマークが入ります )
問い合わせ FAX:075-753-9081(京都大学 土佐研究室)
主催 京都大学 学術情報メディアセンター
プログラム
13時05分〜 挨拶:
美濃 導彦(京都大学 学術情報メディアセンター 教授,センター長)
13時15分〜14時00分 基調講演:『文化とコンピュータ』
長尾 まこと(国立国会図書 館長)
14時00分〜14時45分 プレゼンテーション:
「カルチュラルコンピューティング:文化・無意識・ソフトウェアの創造力」

土佐 尚子(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)
14時45分〜15時00分 (休憩)
15時00分〜18時00分

パネル:「日本文化ソフトのグローバルコミュニケーション創造力」

<パネリスト>
鎌田 東二(京都大学 こころの未来研究センター 教授・フリーランス神主)
徳岡 邦夫(京都吉兆嵐山本店 三代目総料理長)
改田 哲也(トヨタ自動車 企業価値創造室 室長)
中津 良平(シンガポール国立大学 教授・インタラクティブデジタルメディア研究所 所長)

<コメンテーター>
美濃 導彦(京都大学 学術情報メディアセンター 教授,センター長)
黒橋 禎夫(京都大学大学院 情報学研究科 教授)
中村 裕一(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)

<司会>
土佐 尚子(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)

講演者紹介

基調講演:
長尾 まこと (国立国会図書館長)
<略歴> 1959年京都大学工学部電子工学科卒業.1961年同大学院修士課程修了.同年京都大学助手.1966年京都大学より工学博士号取得(情報工学).1967年京都大学講師.1968年京都大学助教授.1973年京都大学工学部教授.1997年〜2003年第23代京都大学総長.2000年〜2007年日本図書館協会会長.2001年〜2003年国立大学協会会長.2003年京都大学名誉教授.2005年日本国際賞「情報・メディア技術」分野.同年フランス共和国レジオン・ドヌール勲章シュバリエ章.2007年〜国立国会図書館長.2008年文化功労者.

プレゼンテーション:
土佐 尚子 (京都大学 学術情報メディアセンター 教授)
<略歴> メディアアーティスト,研究者,京都大学学術情報メディアセンター教授,シンガポール国立大学客員教授,工学博士(東京大学).NY近代美術館,メトロポリタン美術館等の企画展に招待展示.2004年ユネスコ主催デジタル文化遺産コンペで2位受賞.作品はアメリカンフィルムアソシエイション,国立国際美術館,富山県立近代美術館などで収蔵されている.
マサチューセッツ工科大学建築学部Centerfor Advanced Visual Studiesフェローアーティストを経て現職.
HP:http://www.tosa.media.kyoto-u.ac.jp/

パネリスト:
徳岡 邦夫(京都吉兆嵐山本店 三代目総料理長)
<略歴> 1960年生まれ.「吉兆」の創業者・湯木貞一氏の孫にあたる. 15歳のときに京都吉兆嵐山本店で修行を始める.1995年から,京都嵐山吉兆の料理長として現場を指揮している.
ミシュラン京都・大阪2010 嵐山店3つ星,花吉兆店1つ星を頂く.

中津 良平(シンガポール国立大学・インタラクティブデジタルメディア研究所 所長)
<略歴> 2008年よりシンガポール国立大学にて,教授およびインタラクティブ・ディジタル・メディア研究所所長.工学博士(京都大学).
ブログ:「シンガポール通信」http://d.hatena.ne.jp/nakatsu-ryohei/

改田 哲也(トヨタ自動車 企業価値創造室 室長)
<略歴> トヨタ自動車株式会社にてマーケティング開発部,商品企画部を経て,現在は企業価値創造室室長.次代に向けたトヨタの車づくりの基軸として『世界に昇華した日本独創』を提案.2007年より,日本文化から導き出した新しい時代の企業価値創造に本格的に取り組む.
以降,世界に向けて日本文化および,企業価値を訴求.
2004年技術開発のフィロソフィ「Today for Tomorrow」を内外に展開.2007年より,新しい時代の企業価値創造に本格的に取り組み,コンセプトカー「Toyota1/X」,「ToyotaRiN」,「Toyotai-REAL」を 第40回東京モーターショーで発表. 以降,企業価値の世界への訴求も着手している.

鎌田 東二(京都大学 こころの未来研究センター 教授・フリーランス神主)
<略歴> 國學院大學大学院文学研究科博士課程修了.宗教哲学・民俗学・比較文明学専攻.文学博士.京都大学こころの未来研究センター教授.石笛・法螺貝・横笛奏者.神道ソングライターとして200曲余を作詞作曲.著書に,『翁童論』(新曜社)
『神と仏の出逢う国』(角川選書)など多数.

コメンテーター:
美濃 導彦(京都大学 学術情報メディアセンター 教授,センター長)
<略歴> 昭和53年京都大学工学部情報工学科卒業.昭和58年同大大学院博士課程修了.平成14年京都大学学術情報メディアセンター教授.平成18年4月同センター長に就任.平成20年10月より京都大学総長室副室長を兼任.画像処理,人工知能,知的コミュニケーション関係の研究に従事.最近は,人間の胎児の三次元モデルなど教育用コンテンツの作成も行っている.

中村 裕一(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)
<略歴> 1985年京大・工卒.1990年同大大学院博士課程了.同年京都大学工学部助手.1993年筑波大学電子・情報工学系講師.1999年機能工学系助教授,2004年京都大学学術情報メディアセンター教授現在に至る.博士(工学).画像認識/理解,映像メディア,インタラクションなどの研究に従事.
1996年カーネギーメロン大学ロボティクス研究所客員研究員.1998〜2001年科学技術振興事業団さきがけ21研究「情報と知」領域研究員(兼任).

黒橋 禎夫(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)
<略歴> 1994年京都大学大学院工学研究科電気工学第二専攻博士課程修了.博士・工学.2006年4月より京都大学大学院情報学研究科教授.自然言語処理,知識情報処理の研究に従事.言語処理学会10周年記念論文賞,第8回船井情報科学振興賞,2009 IBM Faculty Award等を受賞.

日本文化ソフトのグローバルコミュニケーション創造力に対して一言
土佐尚子:「文化は脱ぎ捨てることができない.」

中津良平:「日本文化はその特殊性が指摘されるが,実は深さを極めることによりグローバル性を獲得するに至っている.深い精神性,他の人や環境との共存性等の点で,これからの世界が向かう方向に対する指針を与えてくれる.」

美濃導彦:「画像系は強いが言語系がもうひとつ物足りない.文系の先生方の発信力強化が必要ではないか.」

中村裕一:「考えさせられ,考えてもなおわからない日本の文化と,速い・大量・明快さを求めるコンピュータ文化との接点には何があるのでしょうか? 大変興味深い問題です.」
黒橋禎夫:「ウェブからの常識の自動獲得,対訳用例を用いた機械翻訳の高度化など,計算機で「ことば」の処理は長足の進歩を遂げつつあります.「文化」がその射程に入る日も遠くありません.」