情報基礎実践B

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授業の内容

概要・目的

統計処理やプログラミング言語の基礎知識を持たない学生を対象として、大規模データ解析を行う為のプログラミング技術の習得を目指す実践科目である。「情報基礎III」という統計計算の入門的講義科目に対して、この科目は、より高度な実習を行うことにより、より大規模なデータを解析することを目指す。「情報基礎III」の実習では、Excelと統計計算に特化したソフトウェアであるRのR言語を学習するのに対して、この授業では、その2つのソフトウェアの使い方について簡単に触れた後、プログラミング言語Cを用いて、主成分分析などにおいて重要な対称な大規模疎行列の最大固有値から数個の固有値とそれに付随する固有ベクトルを計算するプログラムを自らの手で作成する。本講義の目的の一つに、統計処理、統計計算の基本的な内容に対する理解を深めることがあげられる。統計処理がどのように利用されるか概説し、計算機を用いて統計処理を行う方法を解説し実習を行う。加えて、プログラミング言語Cの知識を持たない学生が、この言語に習熟することで自らのプログラミングスキルを高める目的もある。また、計算機の構成とプロセッサアーキテクチャの基礎知識をもとに、動作速度の点で優れたプログラムを作成するための基本的な手法を解説する。プログラミング言語への理解を深めるだけでなく、統計計算というアプリケーションの作成を通して、さまざまなアプリケーションを作成する状況においても活用できるプログラムの高速化技法について習熟することを目的とする。


授業計画と内容

全14回の予定は、以下の通りである。
 
・数値計算と統計計算 (3回)
計算科学の重要な手法である数値解析・数値計算の基礎について講述する。2分法やニュートン法
などの基本的な内容について学習した後、計算機で統計計算を行う上で重要となるアルゴリズムを
解説する。特に、連立一次方程式の解法であるLU分解、最小二乗法において基礎となるQR分解と
特異値分解について解説する。
 
・計算機の構成とプロセッサアーキテクチャの基礎 (1回)
計算機の構成とプロセッサアーキテクチャの基礎知識を講義する。
 
・C言語の文法とプログラミング技法の解説 (3回)
プログラミング言語の基礎知識を持たない学生を対象として、C言語の基本的なプログラミング手
法を丁寧に解説する。
 
・統計処理入門(2回)
統計処理について概説する。その後、統計学の基礎として平均、分散などについて解説した後、回帰分析、主成分分析等のデータの統計処理について講述する。加えて、Excelと統計ソフトRの実習を行う。
 
・統計計算を行うためのC言語によるプログラムの作成(5回)
主成分分析などにおいて重要な対称な大規模疎行列の最大固有値から数個の固有値と それに付随する固有ベクトルを計算するプログラムを以下の2種類作成する。
(1) 直交化法を利用した複数個の固有値・固有ベクトルの組を逐次的に求めるべき乗法
(2) 同時反復法


 

履修要件

特になし


予備知識

 


成績評価の方法・基準

大規模データ解析を行うレベルのC言語のプログラミングスキルを習得しているかについて、実習レポート課題を通して判断し、成績評価とする。さらに、レポート課題への解答として作成したコードが、計算機の構成とプロセッサアーキテクチャの基礎知識をもとに、効率的な動作を行うものかという基準で評価する。講義・実習の出席率も評価の基準に加える。


教科書

資料が必要な場合には、授業中にプリント等を配布する


参考書等

 


その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)

木村欣司:金曜・3限目13:00-14:30 kkimur[at]amp.i.kyoto-u.ac.jp
授業時間外で、質問がある場合には、あらかじめ、上記のアドレスにメールをすること。


授業情報

配当学年 全回生
科目名 情報基礎実践B
科目名(英訳) Informatics Fundamentals & Practice B
単位数 2
開講期 後期
曜時限 月5
授業形態 演習
講義室 学術情報メディアセンター南館203
担当教員 情報学研究科特定准教授 木村 欣司
情報学研究科 特定助教 關戸 啓人

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